去年の10月頭から今年の1月末まで日本に滞在しました。1999年に東京からミラノに移って以来の長期滞在となりました。この4ヶ月に私生活でも仕事の上でも本当にたくさんの出来事があり、人としてもピアニストとしても変化したと感じます。何はともあれすべては芸術の糧になるのでしょうからどうぞこれからの吉川隆弘を楽しみにしていてください。
日本滞在ひとつ目の公演は「Luce e Ombra」でした。いきなりイタリア語ですね。光と影です。ひとつと書きましたが金沢と東京で計3公演でした。バレエダンサーで振付師、プロデューサーとして一つの舞台を作り上げるアーティストの西島数博さん、世界的なファッションデザイナー、言わずと知れたコシノジュンコさん、謎(!)のコンテンポラリーダンサー Naoさんとのコラボレーションの舞台でした。コシノさんは衣装のみならず映像も担当され、影絵のシーンで使われたJoji Kojimaさんの美しい作品も花を添えられ、また吉川ひろ子さんの照明も素晴らしく、全てのアーティスト、スタッフが一丸となって作り上げることのできた作品でした。
6月に西島さんとジュンコさんと3人で打ち合わせをした際に、私の考えている演奏曲目がそれぞれに大きなコントラストがあることを説明したところ、コントラスト、ということが彼女の重要なコンセプトの一つであるということで意気投合し、前半が光で後半が影の世界観を西島さんが提案し、全体のコンセプトが出来上がりました。
演奏した曲目は以下です。
ラヴェル 水の戯れ
ベートーヴェン ピアノソナタ第23番へ短調「熱情」
ドビュッシー 月の光
休憩
ケージ ある風景の中で
サティ ジムノペディ第1番、グノシエンヌ第4番
ストラヴィンスキー ペトルーシュカからの3楽章
アンコールではショパンのバラード第1番を演奏しました。
コラボレーションではなくピアノのみでのリサイタルでも十分すぎるほど充実したプログラムでした。
フライヤーとプロモーションヴィデオです↓
フォトグラファー Shin Ishikawa さんと彼の素晴らしいスタッフさん達が作ってくださいました。
公演の模様をいくつかの写真でご紹介します。写真をクリックかタップすると大きくなると思います。
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上の写真は代官山の公演終了後、会場近くのビストロ「Le Comptoir Occitan」にて。素晴らしいビストロで気に入ってしまいました。
再演を望む声が出演者からもお客様からも絶えません笑笑。